2026年2月19日
「築15年、そろそろ外壁の汚れやチョーキング(白い粉)が気になってきた」
「訪問販売の業者に『今すぐ塗らないと雨漏りする』と言われ、200万円の見積もりを出された」
「外壁塗装は高すぎる。なんとか安く抑える方法はないのか?」
マイホームを持つすべての人に必ず訪れる試練、それが「外壁塗装(外壁リフォーム)」です。
一般的な30坪の戸建て住宅であっても、足場代、高圧洗浄、下塗り・中塗り・上塗りの塗料代、そして職人の人件費を合わせると、100万円〜150万円、屋根塗装もセットにすれば200万円近い出費になることも珍しくありません。
これほど高額な費用を、何の疑いもなく「全額自腹」で支払おうとしていませんか?
もしそうだとしたら、あなたは数十万円の「もらえるはずだったお金」をドブに捨てているかもしれません。
実は、日本全国の多くの市区町村では、外壁塗装を含む住宅リフォームに対して「助成金・補助金」を交付する制度を設けています。
条件を満たせば、10万円から、場合によっては30万円以上の現金が自治体から支給されるのです。
しかし、この制度は「知っている人だけが得をし、知らない人は損をする」仕組みになっています。
役所の方から「あなたのお家、そろそろ塗装時期なので助成金を出しますよ」と教えてくれることは絶対にありません。
本記事では、なぜ個人の家の塗装に税金から助成金が出るのかという根本的な理由から、申請対象となる3つのメインパターン、そして多くの人が引っかかって「支給額0円」になってしまう恐ろしい「申請の落とし穴」まで、外壁塗装の助成金に関するあらゆる知識を徹底的に解説します。
契約書にハンコを押す前に、必ずこの記事を最後まで読んでください。
この記事で手に入る「外壁塗装を賢く安くする」知識
- なぜ自治体は「個人の家の塗装」にお金を出してくれるのか?
- 「遮熱塗料」と「地元業者」が助成金獲得の2大キーワード
- 絶対にやってはいけない! 支給が取り消される「事後申請」の罠
- 予算上限と先着順……助成金レースを勝ち抜くための「タイミング」
- 助成金が使えなくても「火災保険」で実質負担を減らす裏ワザ
目次
そもそも、なぜ自治体は個人の外壁塗装に助成金を出すのか?
「自分の家の見栄えを良くするためだけに、皆の税金が使われるのはおかしいのでは?」
そう疑問に思う方もいるかもしれません。
自治体が外壁塗装に助成金を出すのには、単なる住民サービスではなく、明確な「自治体側のメリット(行政目的)」が存在します。
この「行政の狙い」を理解することで、どのような条件を満たせば助成金が下りやすいのかが逆算できるようになります。
理由1:地域経済の活性化(地元への還元)
最も大きな理由がこれです。
自治体は、住民が支払う高額なリフォーム代金が、大手の全国チェーン店などを通じて「市外・県外」に流出することを防ぎたいと考えています。
そのため、「市内に本社(または本店)を置く施工業者に工事を依頼すること」を助成の絶対条件にしているケースが非常に多いのです。
自治体としては、10万円の助成金を出すことで、住民に100万円の工事を決断させ、その100万円が地元の工務店や塗装業者の売上になり、結果として地元の雇用や税収(法人税など)として還ってくるという「経済波及効果」を狙っています。
理由2:地球環境への配慮(エコ化・脱炭素社会の推進)
近年、国を挙げて「カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)」を目指す動きが加速しています。
一般の住宅においても、消費電力を減らすことが求められています。
そこで、太陽の熱を反射して室内の温度上昇を抑える「遮熱塗料」や、熱の移動を防ぐ「断熱塗料」を使って外壁や屋根を塗装する場合に、助成金を出す自治体が増えています。
これにより、夏のエアコン使用量が減り、街全体のCO2削減(ヒートアイランド現象の抑制)に貢献できるからです。
理由3:空き家対策と景観維持・移住定住の促進
家はメンテナンスを怠ると急速に劣化し、いずれ廃墟化して「空き家問題」を引き起こします。
自治体は、住民に長く住み続けてもらうため(定住促進)、あるいは中古住宅を購入して移住してくる人を支援するために、住宅の長寿命化に繋がる外壁塗装を金銭的に後押しします。
また、街並みの美観を保つという目的が含まれていることもあります。
外壁塗装でもらえる助成金の「3大パターン」と相場
自治体によって制度の名称や内容はバラバラですが、外壁塗装に適用できる助成金・補助金は、大きく分けて以下の3つのパターンに分類されます。
お住まいの市区町村のホームページで検索する際は、これらのキーワードを意識して探してみてください。
パターン①:省エネ・エコリフォーム型(遮熱・断熱塗装)
最もポピュラーで、都市部でも採用されやすいのがこのタイプです。
【条件】
普通のウレタン塗料やシリコン塗料では対象にならず、「自治体が定める基準(日射反射率〇〇%以上など)を満たした遮熱塗料・断熱塗料を使用すること」が必須条件となります。
【支給額の相場】
工事費用の10%〜20%、上限額10万円〜20万円程度。
(※塗料のグレードが上がるため工事費用自体は高くなりますが、助成金と今後の電気代節約を考えればトータルでお得になるケースが多いです)
パターン②:一般リフォーム・地域活性化型
塗料の種類に関わらず、「建物の修繕・改修」であれば広く対象となるタイプです。
【条件】
「市内に本社登記がある施工業者と契約すること」がほぼ100%条件に組み込まれています。訪問販売でやってきた県外の業者や、ネットの激安一括見積もりで選んだ遠方の業者では申請できません。
【支給額の相場】
工事費用の10%〜30%、上限額10万円〜30万円程度。
現金での振り込みではなく、「地元商店街で使える地域振興商品券」として還元される自治体(例:10万円分の商品券)も存在します。
パターン③:三世代同居・移住定住促進型
人口減少に悩む地方自治体でよく見られる、特定の「人」を対象とした制度です。
【条件】
「親世帯と同居(または近居)するために実家をリフォームする」「県外から移住してきて中古住宅を購入しリフォームする」「18歳未満の子供がいる子育て世帯である」といった条件が付きます。
【支給額の相場】
政策的な意味合いが強いため支給額が大きく、上限額30万円〜50万円、場合によっては100万円近く出ることもあります。
絶対に知っておくべき「助成金申請の基本条件」
制度があっても、誰もがもらえるわけではありません。
ほぼすべての自治体に共通する、申請者側(あなた)と建物側の「前提条件」を確認しておきましょう。
- 住民税などの税金を滞納していないこと:
当然ですが、税金で賄われる制度であるため、市民税や固定資産税、国民健康保険料などを滞納している人は対象外になります。申請時に「完納証明書」の提出を求められます。 - その自治体に住民票があること:
申請する市町村に住民登録があり、かつその塗装する家に居住している(または工事完了後に居住する)ことが条件です。別荘や、賃貸に出している投資用物件の塗装は対象外となることがほとんどです。 - 過去に同じ助成金を受けていないこと:
「1住宅につき1回限り」「1世帯につき1回限り」という制限が設けられているのが一般的です。10年前に外壁塗装で助成金をもらった家は、今回の屋根塗装では使えない可能性があります。 - 建築基準法に違反していない建物であること:
違法建築物(建ぺい率オーバーの増築など)には助成金は下りません。また、自治体によっては「昭和56年6月以降の新耐震基準を満たしていること」を条件としている場合もあります。
要注意! 支給額0円になる「5つの恐ろしい落とし穴」
ここからが本記事の核心です。
「条件を満たしているから大丈夫」と思っていても、手続きの順番や業者の選定を間違えると、助成金は1円も受け取れなくなります。
実際に多くの人が涙を飲んでいる「5つの落とし穴」を解説します。
落とし穴1:工事開始「後」の申請は100%アウト(事前申請の原則)
これが最も多い失敗です。
「外壁塗装が終わったから、領収書を持って役所に助成金の申請に行こう」
これは絶対にNGです。
助成金や補助金は、「必ず工事着工『前』に申請し、自治体からの『交付決定通知』を受け取ってから契約・着工すること」が大原則です。
事後報告では、どんなに条件を満たしていても絶対に受理されません。すでに足場が組まれていたり、業者と契約書を交わしてしまっている状態では手遅れなのです。
落とし穴2:予算上限と先着順(年度初めを逃すな)
自治体の助成金制度には、あらかじめ「年間予算」が決められています。
「予算上限に達し次第、受付終了」という先着順方式を採用している自治体が非常に多いのです。
自治体の新年度は4月1日です。そのため、4月〜5月頃に制度が発表され、受付がスタートします。
人気の高い自治体では、受付開始からわずか1〜2ヶ月(初夏頃)で年間予算が底をつき、受付終了となってしまいます。
秋になってから「涼しくなったし塗装しようか」と思い立って調べても、すでにその年の助成金は終わっている可能性が高いのです。
(※一部の自治体では、期間を区切って「抽選方式」にしている場合もあります)
落とし穴3:「指定業者・地元業者」縛りのワナ
前述の通り、多くの助成金は「市内に本社がある業者」に依頼することが条件です。
ネットで「全国対応!激安塗装」と謳っている業者や、テレビCMをやっている大手ハウスメーカー、県外から営業にきた訪問販売業者と契約してしまうと、助成金の対象から外れてしまいます。
また、さらに厳しい自治体では、「自治体が指定した登録施工店名簿の中から選ぶこと」という指定がある場合もあります。
業者選びをスタートする前に、必ず「自分の市の助成金が使える業者の条件」を確認してください。
落とし穴4:「塗料のスペック指定」を見落とす
エコリフォーム型の助成金の場合、「遮熱塗料なら何でもいい」わけではありません。
「日本塗料工業会が登録する日射反射率〇〇%以上の塗料」など、厳しい性能基準が設けられています。
助成金の申請実績が乏しい業者に依頼してしまうと、基準を満たさない安い塗料で見積もりを作られ、審査で弾かれてしまうトラブルが発生します。
「この塗料は、市の助成金の基準を確実にクリアしていますか?」と業者に確認し、カタログや性能証明書を提示してもらうことが重要です。
落とし穴5:完了報告と「施工中写真」の厳しさ
工事が無事に終わっても、安心してはいけません。
助成金が振り込まれるのは、工事完了後に「完了実績報告書」を提出し、自治体の検査をパスした後です。
ここで非常に重要になるのが「工事の証拠写真」です。
自治体は、「施工前」「足場設置時」「下塗り」「中塗り」「上塗り」「完了後」の写真を指定のアングルで提出するように求めてきます。
もし業者が写真を撮り忘れたり、手抜きをして3回塗るべきところを2回しか塗っておらず写真が残っていなかったりすると、不正とみなされ助成金は下りません。
必ず「助成金申請用の写真撮影に慣れている優良業者」を選ぶ必要があります。
助成金申請を確実に成功させる5つのステップ
落とし穴を回避し、確実に助成金を獲得するための正しいフローは以下の通りです。
STEP 1:自治体のホームページで制度を確認する
「〇〇市 外壁塗装 助成金」「〇〇市 住宅リフォーム 補助金」で検索し、今年度の予算がまだ残っているか、対象条件は何かを確認します。
STEP 2:助成金申請に強い地元業者を探し、相見積もりをとる
条件を満たす市内の業者を2〜3社ピックアップし、現地調査と見積もりを依頼します。その際、必ず「助成金を使って塗装したい」と伝え、手続きのサポートをしてくれる業者を選びます。
STEP 3:役所へ「事前申請」を行う
業者が作成した見積書、塗料のカタログ、家の図面、施工前の写真、住民票や納税証明書などを揃え、着工の2週間〜1ヶ月前には自治体の窓口へ提出します(業者が代行してくれる場合も多いです)。
STEP 4:「交付決定通知」を受け取ってから契約・着工
自治体から「この内容で助成金を出しますよ」という決定通知書が自宅に届きます。この紙を受け取って初めて、業者と正式な契約を結び、足場を組み始めます。
STEP 5:工事完了後、「実績報告書」を提出し、入金を待つ
工事が終わったら、業者から施工中・完了後の写真と領収書を受け取り、自治体へ報告します。審査に通れば、約1〜2ヶ月後に指定口座に助成金が振り込まれます。
助成金がなくても諦めない! 外壁塗装を安くする3つの裏ワザ
「調べたら、うちの市には助成金制度がなかった」
「すでに今年の予算が終了してしまっていた」
そんな場合でも、絶望する必要はありません。実質的な負担を減らす方法は他にもあります。
裏ワザ1:火災保険の「風災補償」を活用する
もし、外壁のひび割れや屋根の剥がれが「経年劣化」ではなく、「過去の台風や強風、雹(ひょう)による被害」であると証明できれば、加入している火災保険の風災補償が適用される可能性があります。
火災保険が下りれば、その保険金を修理費用や足場代に充てることができるため、外壁塗装の手出し費用を大幅に抑えることができます。
(※経年劣化による塗装には使えません。また「保険を使って無料で塗装できる」と語る悪徳な申請代行業者には十分注意してください。)
裏ワザ2:住宅ローン減税(リフォーム減税)を使う
外壁塗装の費用を、現金一括ではなく「リフォームローン(返済期間10年以上)」を組んで支払う場合、確定申告を行うことで「住宅ローン減税」の対象になるケースがあります。
年末のローン残高の0.7%が、最大10年間にわたって所得税から控除されるため、数十万円の節税効果が見込めます。
(※工事費用が100万円超であること、などの諸条件があります)
裏ワザ3:業者の「閑散期(夏・冬)」を狙って値引き交渉
塗装業界には「繁忙期(春・秋)」と「閑散期(梅雨・真夏・真冬)」があります。
春や秋は気候が安定しているため予約が殺到し、業者は強気の見積もりを出します。
逆に、雨が多くて工期が伸びやすい梅雨や、職人が厳しい環境で作業する真夏・真冬は、業者のスケジュールに空きができやすくなります。
「工期が多少伸びてもいいから、職人さんが空いている時期にお願いするので安くしてほしい」と交渉すれば、助成金と同等レベル(10万〜20万円)の大幅な値引きを引き出せる可能性があります。
まとめ:助成金獲得の鍵は「業者選び」にあり
外壁塗装の助成金は、申請のタイミングと条件さえ間違えなければ、決してハードルの高いものではありません。
しかし、お役所言葉で書かれた要項をすべて自分で読み解き、完璧な書類と写真を揃えるのは、一般の方には大きな負担となります。
だからこそ、助成金獲得の最大の鍵は「助成金の申請実績が豊富で、親身にサポートしてくれる地元の優良業者を見つけること」に尽きます。
良い業者は、役所の担当者とのやり取りにも慣れており、「この塗料を使えば通る」「こういう写真を撮っておくべきだ」というノウハウを熟知しています。
「面倒な書類作成はうちで代行しますよ」と言ってくれる業者に出会えれば、あなたの負担はほぼゼロになります。
家を雨風から守るための大切な外壁塗装。
高額だからと諦めたり、安いだけの悪徳業者に引っかかったりする前に、まずはご自身の住む自治体の制度を調べ、複数の地元業者から相見積もりを取ることから始めてみてください。
「知る」ことと「行動する」ことが、数十万円の節約という最高の結果をもたらしてくれるはずです。
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